株式会社ダイモンは、海底ケーブルを保護するための「防護管」技術を開発し、国内市場に本格参入する。同社はこれまで主に鋳鉄製のマンホール蓋の製造を手掛けてきたが、今回、新たに樹脂製の防護管を開発。これにより、施工の効率化と安全性の向上に加え、優れた耐衝撃性と耐摩耗性を兼ねそろえており期待されている。本展示会では、樹脂製防護管の優位性と活用事例を紹介し、洋上風力発電をはじめとする再生可能エネルギー分野への展開を図る。

施工の負担を軽減する樹脂製防護管

従来、海底ケーブルの保護には鋳鉄製の防護管が用いられていた。ケーブルの移動を抑制するためのウエイトとしても使用されてきた。しかし、鋳鉄製は重量があるため、ダイバーが直接海中で取り付ける必要があり、施工の負担が大きかった。新たに開発されたポリウレタン製の防護管は、軽量で耐久性が高く、船上で事前にケーブルへ装着したうえで敷設が可能である。これにより、深海への施工も容易になり、100m以上の深度にも対応できる点が大きな強みとなる。

洋上風力発電と通信インフラに貢献

ポリウレタン製防護管の主な用途は、洋上風力発電の送電ケーブルや、光ファイバー通信ケーブルの保護を想定している。近年、日本国内でも洋上風力発電の導入が進んでおり、海底ケーブルの敷設が増加すると見込まれる。特に、従来のようにダイバーの直接施工が困難な深い場所において、事前に防護管を装着する方式は、効率的なインフラ整備に大きく貢献すると期待できる。

高い耐久性を誇る固定方式の選択肢

同社は、バンド固定式とボルト固定式の2種類の製品をラインナップしている。海外メーカーでは主にバンド固定式が主流だが、施工後の点検でバンドの破損が確認されるケースがある。これに対し、ボルト固定式は高い耐久性を持ち、長期的な信頼性に優れている。一方で、バンド固定式は施工スピードの速さが魅力であり、用途に応じた選択が可能となっている。このバンド固定に必要な工具は、国内唯一の結束総合メーカーである鋼鈑工業株式会社(共同出展)が提供している。とくに同社はバンドの材質にスーパーステンレスを採用。従来のチタン製のバンドと同等の高耐食性を持ちながら、高強度も併せ持つ。

日本国内メーカーとしての強み

これまで国内市場では、海外メーカー製の樹脂製防護管が流通していたが、国内メーカーとして開発・製造を手掛けるのは同社が初めてとなる。同社は、鋳鉄製品の製造で培った技術力を活かし、国内市場向けに最適化された製品を展開。再生可能エネルギーの普及とともに、国内の海底ケーブル施工現場での普及を目指している。同社の担当者は「展示会の出展ブースでは、樹脂製防護管の実物展示や、施工デモンストレーションを通じてその優位性を紹介したい」と話す。(文:落合平八郎広報事務所)

会社名:株式会社ダイモン
代表者:代表取締役 吉本信晴
設立 :1944年1月
業務内容:上下水道用機材の製造販売、一般産業向け鋳物・ロストワックス部品等の製造販売など
ホームページ:https://www.daimonjp.com/

海底ケーブル用ポリウレタン製防護管「DSC-PROTECTER」は優れた耐衝撃性と耐摩耗性を兼ね備えている(イメージ)

ポリウレタン製防護管をバンドで固定(イメージ)。出展ブースでデモ実演する

ポリウレタン製防護管のボルト固定式タイプ(イメージ)

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