株式会社キングジムは、「脱炭素経営分野」における同社出展ブースで、エアコン室外機への遮熱塗料塗装サービスという意外性に満ちた新サービスをPRする。同社が積み上げてきた信頼の上に、新たなサステナブルな未来を築こうとする意気込みが込められている。
遮熱塗料に注目した理由
これまでファイルやテプラなどのオフィス用品で親しまれてきた同社は、2024年に第11次中期経営計画を発表。既存ビジネスの強化に加え、新たな取り組みのひとつとしてサービス事業への積極的な展開を掲げている。市場のニーズを徹底的に調査する過程で、住宅資材の総合商社である株式会社コバヤシ(所在地:東京都小平市)との情報交換をきっかけに協業が決まり、エアコン室外機というニッチな分野に着目した。これにより、低コストで高い効果を発揮するサービスを提供する展開に至った。サービスの販売はキングジムが行い、施工はコバヤシが担当する。
省エネ対策の次の一手として提案
「省エネ対策で次の一手を模索している企業にこそ提案したい」。同社担当者は、企業の総務部門、サステナビリティ推進部門が省エネ施策に苦心する現状に言及する。オフィスの省エネ化で節電やLED照明の導入、省エネ効果の高い最新機器への入れ替えなど、徹底した取り組みを進めてきたが、これ以上の「削り代」が見当たらないのが現状だ。外壁への遮熱塗料の塗装工事も省エネ効果が見込まれるが、大規模な施工になってしまうので、多くの企業が手を出しづらいという問題がある。実用的かつコスト効率の高い省エネを実現するこのサービスは、既存の選択肢に満足できなかった企業にとって新たな可能性を示すものだといえよう。
エアコン室外機への遮熱塗料塗装サービスが提供する価値
キングジムのエアコン室外機への遮熱塗料塗装サービスは、使用する塗料にも多くの特長がある。この特殊な塗料は、太陽熱の反射率を約90%以上キープしながら、塗料内に中空ビーズによる断熱層を形成することで、遮熱性と断熱性を両立している。また、高い伸縮性で曲面や凹凸面にもしっかり密着するために塗装後のひび割れが起こりにくい。加えて、一度塗装すれば基本的に約13~15年の間は塗りなおしが不要で、メンテナンスによるランニングコストを削減できる。
もう一つの特長として専用ルーバーの設置があげられる。専用ルーバーを設置することにより、エアコン室外機の熱交換器部分に霜が付着しにくくなる。その結果、無駄な電力消費に繋がる霜取り運転を抑えることができるので、夏だけでなく冬にも高い省エネ効果を発揮し、年間で約10~20%のCO2排出量削減・空調代削減が見込める。こうした特長が評価され、オフィス以外に、商業施設や病院、福祉施設のほか物流施設や工場などへの導入が進んでいる。
展示会の出展ブースで披露
同社担当者は「キングジムといえば文具メーカーのイメージが固定化されているが、既成概念を超え、持続可能な未来への貢献を目指した新たな挑戦をぜひ見てほしい」と語る。同社の出展ブースでは、新サービスの詳細を直接確認でき、キングジムの真摯な取り組みを体感できる。
文:落合平八郎広報事務所
【会社概要】
会社名:株式会社キングジム
設立年:1927年
業務内容:文房具・オフィス用品の製造販売、遮熱塗料塗装サービスの提供
ホームページ:https://www.kingjim.co.jp/
ビジネスパーソンであれば誰もが一度は手にとる文具アイテムだろう。オフィスにおける同社への信頼は計り知れない
オフィスビルの屋上に設置された室外機。この表面に遮熱塗装を施すことで省エネ効果が得られるという
サーモグラフィによる表面温度の画像。遮熱塗装を施した室外機の表面温度は周囲より温度が低い(青)。室外機が高温になることを防ぐことで、エアコンの稼働効率が向上できるため省エネ効果が見込める
遮熱塗料に含まれる中空ビーズによって断熱層を形成。太陽光による室外機の温度上昇を抑制する