音羽電機工業株式会社は、雷対策専門メーカーとして1946年に創業し、長きにわたって雷に関する技術とノウハウを蓄積してきた。同社は高圧用避雷器、低圧用避雷器、信号・通信用避雷器、その他雷対策製品の開発、製造、販売を行い、さらに雷コンサルティングサービスや受託試験も提供している。
風力発電の安全性向上を支える雷対策
近年、風力発電の普及に伴い、風車設備への落雷による被害リスクが増加している。音羽電機工業は、風力発電設備の安全運用に貢献するため、JIS C 1400-24に準拠した直撃雷検出装置を提供している。この装置は、風車鉄塔への落雷検知に特化しており、クラスごとにラインナップを揃えることで、多様な設備環境に対応可能である。
技術革新による高精度な雷検出
同社の直撃雷検出装置は、ロゴスキーコイルを用いた検出方式を採用。ロゴスキーコイルは、非接触で大電流を測定可能なセンサである。この方式により、落雷時刻、極性、電流値、エネルギー量などの詳細なデータを記録可能で、雷の様相を正確に把握できる。また、誤検出を最小限に抑える高精度なデータ収集機能が、風力発電事業者にとっての信頼性を高めている。また、遠隔監視機能によるデータ収集が可能である。
製品リニューアルと洋上風力への対応
直撃雷検出装置は、2023年6月の販売開始後、2024年10月にリニューアルを実施。今回のリニューアルでは、施工現場での取り付けやすさが大幅に向上し、効率的な作業が可能となった。さらに、陸上風力発電で培った技術を基に、洋上風力発電向けに対応した製品も開発しており、大型化が進む設備への適応力が強化されている。
持続可能な社会への貢献
同社は、雷対策技術の進化を通じて、再生可能エネルギーの安定供給と持続可能な社会の実現に寄与している。担当者は「展示会では直撃雷検出装置の実物展示やデモンストレーションを通じて、製品の優位性と同社の技術力を紹介したい」と話す。(文:落合平八郎広報事務所)
会社名:音羽電機工業株式会社
代表者:代表取締役社長 吉田 厚
設立年:1946年5月
事業内容:高圧用避雷器、低圧用避雷器、信号・通信用避雷器、雷対策製品の開発・製造・販売、雷コンサルティング、受託試験など
ホームページ:https://www.otowadenki.co.jp/
同社の風車直撃雷検出装置 クラスⅠ(LDW-RCシリーズ)
落雷によるデータはSDカードに記録できるほか、遠隔監視機能によるデータ収集が可能
ロゴスキーコイルの設置事例(中央の太いケーブル)
さまざまな雷に対するニーズにこたえるべく、製品仕様の改善に余念がない