睦月電機株式会社は、金属と樹脂の直接接合技術「ALTIM®(アルティム)」 を本展示会で提案する。本技術は、金属と樹脂を接着剤や締結部品を使用せずに、独自のレーザー加工技術と加熱圧着方式によって高い強度の一体化を実現する。従来の接合技術と比較して、強度だけでなく、気密性・防水性の向上、軽量化、環境負荷の低減といったメリットを持ち、特に電池ケースや筐体部品などの用途で注目されている。

レーザー加工と加熱圧着による強固な接合

同社の「レーザー+加熱圧着」技術は、金属表面にレーザーで微細な凹凸を形成し、その後、IH(電磁誘導加熱)などによって金属を加熱し、樹脂を圧着することで接合を実現する。これにより、樹脂が溝に流れ込み、アンカー効果によって高い接合強度を得られる。また、接着剤を使用せずに済むため、耐久性に優れ、長期間安定した性能を発揮できる点も特長である。加えて、-40℃から130℃の温度環境下でも接合強度を維持し、防水性・気密性の確保が可能であるため、防水部品などへの応用も期待される。

多様な用途と今後の展開

この技術は、電池ケース、筐体、ネジを使わないヒンジ部品など さまざまな用途に適用できる。特に、異種材料の組み合わせによる軽量化や設計自由度の向上を求める業界からの関心が高まっている。2024年から導入企業とのテストが本格化し、2025年夏頃には市場投入される予定である。量産化に向けた準備が進められており、条件によっては1分以内で、小型であれば数十秒の加工が可能であり、高効率プロセスを実現している。

一貫した製造体制で迅速な対応を実現

同社は、もともとプラスチック部品の製造を得意とする企業であり、異種材料接合技術を長年にわたって研究してきた。従来の化学処理による接合から、レーザー加工を活用した技術へと発展させたことで、より高精度な接合を可能にした。さらに、成形から接合までを一貫して対応できる体制を持ち、短納期での提供が可能である。これにより、他社と比べて工程の最適化や製造コストの削減が可能となる。

展示会で技術の魅力を発信

本展示会では、接合サンプルの展示や技術解説を実施。「レーザー+加熱圧着」技術によるALTIM®の実用性や優位性を紹介する。担当者は、「当社の技術がさまざまな業界の製品開発に貢献できることを期待している。ぜひ展示ブースで実物をご覧いただきたい」と語る。(文:落合平八郎広報事務所)

会社名:睦月電機株式会社
代表者:代表取締役 睦月 伸季
設立年:1946年3月
事業内容:精密成形金型および精密順送プレス金型の製造、精密プラスチック部品・精密射出成形品の製造
ホームページ:https://www.mutsuki.co.jp/

円筒型リチウムイオン電池の封口板サンプル

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